2017年11月22日水曜日

故・川添神父が詠んだ一句、コルベ神父の汚れ椅子

今朝のミサは、入江さんの依頼で、先日、帰天された長崎教区の司祭、川添猛神父さまのために祈られた。85歳。上五島の出身だった。
★私が長崎のクリニックへ診察へ行くとき、時々、入江さんも便乗して、カトリック大司教館に引退しておられた川添神父さまを訪ねて食事などをしていた。入江さんは熊本に住み、川添神父さまも熊本で司牧されている。その辺の知り合いだろう。
★川添神父さまは気さくな人柄であり、俳句も詠まれる。入江さんは黒の背広に、黒のネクタイで葬儀に出かけた。「葬儀ミサには、司教さま、司祭が120人は居ただろう」と帰ってから報告し、このカードをくれた。ニッコリ笑う故・川添神父。「ああ、この神父さまだ」。お会いしたことはある。俳句が1句、添えられてあった。「咲き終えて、ぺんぺん草の、吹かれをり」
★私は直接に川添神父さまと語り合う交流はなかった。聖母文庫で本を出している。今日は、その本を探して、修道院やホームの本棚を周った。「あった、1冊、みつけたよ」。230ページの本に、53の短編の文章が載っている。ページの合間に、幾つもの俳句があった。文章は軽い文脈で読みやすい。ページをめくっていくと、「コルベ神父」を見つけた。「なんだろう?」
★「この世に勝者、敗者があるのだろうか。それは人間というピエロたちが演ずる劇の一こまにすぎない。アウシュヴィッツの収容所で死んだコルベ神父は、ナチスの側からすると敗者であった。しかし神は、十月にかれを勝者(聖人)と宣言するのである」。ここで俳句、一句、「空梅雨や、コルベ神父の、汚れ椅子」
★今日は、雨。この本を傍に置いて、過ごした。愉快な、優しい、くだけた話を好む神父だった。ロザリオで冥福をお祈りした。

1 件のコメント:

  1. 愛に満ちたユーモアと毒舌。ことに信者さんに向けられた深い愛情を感じる言葉。神父様の本は楽しくて大好きです。
    ご冥福をお祈りします。

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